前回は、まだまだ冬の海という感じで、たった1回しかなかったヒットチャンスをものにできなかった与路島遠征。
4月になるのを待って、また行ってきた。
成田空港の新しく出来たLCC専用の第3ターミナルから出発。
それにしても、成田第3ターミナルはほとんど中華系の旅行者。

いま世界の観光業を潤しているのは中国人旅行者で、去年は1650億ドルを旅行と旅行先で使ったというのだから、すごいことである。

中華系の人たち好みの店構え

ちなみに入っているカフェは韓国系企業とのこと。
「インスピレーションは移動距離に比例する」と誰かが言っていたけれど、僕もその通りだと思う。
釣りを理由にしても、ビジネスを理由にしても、誰かに会いに行く為でも、理由はなんでもいい。僕にとって旅は、新しい何かを産み出す源である。
と、
旅について前置きが長くなるのは、今回の旅ではなんにも釣れなかったからなんだな笑。
一日かけて最果ての与路島までまでたどり着いて、丸2日半釣りをして、また一日かけて最果てから戻ってくる。そこまでして釣リ上げられたのは小さなガシラ1匹だった。

とはいえ、今回やってみた事、見えてきた事を書き残しておきたいと思う。
成田を発ったのが13時半で、飛行機、バス、乗合海上タクシー、車、海上タクシーを乗り継いで与路島に着いたのが21時。翌朝の準備をして眠りにつく。
与路島・請島遠征 第一日目
ウネリがキツくないので、超一級磯と言われる立神(タチガミ)に渡してもらえることに。
ところが、朝マヅメだというのに、何の反応も無し。潮は徳之島方面に向かって川の流れのように流れてゆく。
ポッパーを投げても、ミノーを投げても、シンキングペンシルを沈めても、ジグをしゃくっても、本当になにもなし。
日が昇ってくると、巨大なウミガメがそこらじゅうで顔を出し、そしてクジラが激流をさかのぼって悠々と泳いでゆく。はじめ瀬際を泳いでいたイスズミの群れも喰われる心配がないからか瀬際を離れて湧き始めた。その数数百匹。
まったく大物が居そうにない雰囲気だ。
一緒に立神に上がった上物師はグレを一枚だけ上げていたが、見切りをつけて瀬代わりをして去っていった。
15時の干潮を過ぎ、夕方になって一本大きめの何かが掛かったが瀬際を回り込まれて、ラインフリーにしたところフックアウト。そのまま日が暮れて瀬上がりとなった。
ここは底物、石物の超一級ポイントかもしれないが、ルアーはやりづらいところなんだね。
また、船長によれば、もうこの季節だったらクジラは北上しているはずなのに、この近辺をうろついているということは水温がまだまだ低いせいかもしれないとのこと。
ちなみに船長は昼間にトローリングで150センチのサワラ(オキザワラ)を上げたそう。
与路島・請島遠征 第二日目
与路島の東側はベイトも少ない、ということで請島(うけじま)の南の離れ瀬・ジャナレに乗せてもらった。

西からのウネリの影響で、いいサラシが出来ている。
このサラシの中でダツのついばむようなバイトが頻発。巨大なサワラ(だと思う)のついばむようなバイトも目視できた。
でも、なんだか食いが浅いというか、魚のやる気があまりないような感じ。
ルアーサイズを下げて、ロウディー130Fモンスターをサラシのなかをフラフラ漂わせるように泳がせる。
このルアーいいね。足場が高くてもしっかり泳ぐし、GTロッドでもPE4号だったらちゃんと飛ぶ。飛行姿勢もいい。フックの軸が細いのが若干不安だからドラグは少し緩めにして、沈み瀬にタイトにタイトに漂わせる。
すると、ドンッ!!
キタキタ!!
でも止まらない。
ドラグを緩めにしていたから、根に向かって一直線にラインを曳き出される。ドラグを締めればフックを伸ばされるし、ラインを根に擦られるゴリゴリと嫌な感触。まごついて
いるうちに、フッと軽くなってしまった。
ああーっ!
ラインフリーにしていたら回避できていたのか?ドラグを締めていたら?フックを太軸に交換していたら?いろいろ悔やまれる。
そのあとはアタリも無し。日が暮れて瀬上がりとなった。

軽くて小さなルアーで根際をギリギリに攻めないと喰わないが、喰っても獲れない。。思った以上に厳しい。
与路島・請島遠征 第三日目
9時には上がって帰路に着かなければならないので、近場の潮岬に上げてもらった。
ここは向かいのハンミャ島との海峡になっていて、水深も深くなく、水路が狭まっているので潮が激流になって流れる。
3時間しか時間がないので、GTの回遊との遭遇を狙って、ルアーも交換せず、ひたすらローデッド140Sで投げ続ける。
潮目を通過させるときはゆっくりと見せてみたり、ハイピッチで巻き上げてみたり。水面で音を出してみたり、沈めてみたり。
潮目の脇の潮が緩んだ浅瀬で、ゆっくりフラフラ泳がせていたところで、ハンドルが巻けなくなった。
んっ!?
聞き合わせのようにロッドを立ててみると重みを感じる。するとそこで一気に根に向かって走り始める。フッキングもしっかりきまらないままだったので、ロッドをためた所でフックアウト。
その後はなにもなく、終了となった。
帰り途。
瀬相と古仁屋の間の内海のほうが、水面がザワザワしていてベイトが多そうだった。
乗合海上タクシーの兄さんの話によると、水温の低いこの時期は与路島付近の外海よりも、加計呂麻島と奄美大島の間の内海のほうがベイトは多いとの事。事実、古仁屋の堤防でもムロアジが釣れていた。
もうそろそろ、この釣れない旅を締めくくりたいところ。
さあ、いよいよ来月はトビウオの季節である。
すべて、このトビウオの季節のために、6ヶ月間トレーニングと準備を積み上げたのだ。