事故当日の様子。

午前11時43分サン・ホセ着の飛行機を降りて、あらかじめネット予約しておいたトヨタレンタカーのカウンターを探すも、なかなか見当たらない。

ようやく、教えてもらって分かったのは、トヨタレンタカーはHertzが営業を兼ねているということ。

そうして、慣れない言語での説明を受け、車が手に入ったのが14時。

ここから、日暮までにカリブ海の街Limón(リモン)のホテルに着きたい。

3時間で着くとは聞いたが。



焦る気持ちと、慣れない右側通行。

標識はスペイン語表記のみ。

ましてやサン・ホセの空港周りの道は、ロータリーや左折レーン、右折レーンが多く、GPSの案内の通りに行こうとするも曲がりたいところで曲がれず、簡単にはUターンで戻れなかったりと、一度道を間違えるとなかなか時間を取られる。



ようやくサン・ホセを抜けると、道は高原を下って、急にモワッと熱帯の湿気と熱気の空気に変わる。

窓が曇る。

雨も降り始めてきた。


道はLimónに向かう1本しかない幹線道路。

周りの車はバンバン飛ばしているし、すれ違う大型トラックは狭い道幅だというのに、ものすごいスピードで駆け抜けてゆく。


とうとう土砂降りの雨になってしまった。

えっ!?乾季だって聞いていたのに、こんなに降るの?

日暮までは、まだ時間はあるはずなのに、急激に視界が暗くなり、対向車のヘッドライトの乱反射で走行レーンもおぼつかなくなる。

やばいなあと思った矢先。


ガツンッ!

右側の何か硬いもの(コンクリートの構造物?)に当ててしまった。

対向レーンのトラックを恐れるあまり、右に寄せすぎて走ってしまっていたのだと思う。


右側のタイヤからは異音がする。

路肩に寄せて確認すると、タイヤの空気が抜けてしまっている。あとはバンパーが変形してめくれ上がってしまっている。

やってしまった。


この路肩では危ないので、もう少し安全な場所まで走ろう。

やがて異音はもっと大きくなり、とうとう走行を続けられないぐらいのガタガタになってしまった。



これどうすんの?

そして、日も暮れてしまった。

幸い、対人の衝突ではなく、自車が壊れただけではある。


事故対応

まず行なったのは、なるべく安全な場所に車を寄せて、心を落ち着け、

店頭で説明を受けたRoad Assistanceに電話。

電話番号は800-123-7368だが、僕が持っているのは日本の回線の電話だから、コスタリカの国番号の+506を付けて、+506-800-123-7368

ところが、英語対応はしてくれるが、いまいちおぼつかない。

対人事故ではないこと、車の状況を説明し、こちらの電話番号を伝えはしたが、どんな対応になるのか分からないまま切れてしまった。そして、以降、繋がらなくなってしまった。

どゆこと??


・向こうから、こちらの位置情報は、車に搭載されたGPSなどで把握できているのか?

・待っていればいいのか?位置情報を何らかの方法で知らせないと待っていても来てくれないのか?

・修理なのか?車両交換なのか?

不明なまま。



車の外は土砂降りの雨。携帯電話の充電も残り少ない。

Googleマップで、歩いて10分ぐらいのところにレストランがあることだけは確認して、車中で待機することにした。

幸い、幹線道路から少し離れた路肩に停められたので、追突の心配は少ない場所。気温は低くなく(むしろ蒸し暑い)、蚊などの虫もいない。雨が小止みになって窓を開けても虫は入ってこない。

翌朝に備えて、眠ることにした。


翌朝に行なって効果的だったこと

夜が明けて、視界が利くようになってから、貴重品・荷物をまとめ、Googleマップで近くに見つけていたレストランまで歩いた。

ここで朝食を頼みつつ、電源を借りた。


ネットで事故対応を調べてみたが、
https://hertz.cr/blog/rent-a-car-san-jose/
https://hertz.cr/blog/hertz-rent-a-car-requirements/

肝心の、「こちらの位置情報は把握してもらえているのか?」が分からない。


そこで、Hertzのセールス担当ではあるがWhatsApp(ワッツアップ)の番号を見つけたので、 (506) 4036-7400にメッセージを送ってみることにした。

電話のやり取りでは、互いに言語がおぼつかないやり取りも、テキストメッセージならGoogle翻訳を使って正確に伝えられる。日本国内ではLINEが一般的だが、日本国外ではWhatsAppがこんなに普及しているんだね。

こちらの事故の状況、こちらの位置情報(Googleマップの位置情報)、代替車を希望すること、などを英文と英文から翻訳したスペイン語で併せて伝えた。


すると、数分で応答があり、その後しばらく時間はかかったが、代替車で向かってくれるとの対応を得られた。

やはり、こちらの位置情報は知らせないと、向こうでは把握できなかったようだ。


保険で全てカバー

今回、トラブルに遭いながらも、幸いなことに金銭的には全て保険でカバーされた。

店頭で勧められたデポジット1000ドルのフルカバーの保険には、入っておいて本当に良かった。(ネット予約時には一番安い保険にしていたが、店頭でフルカバーの保険を勧められて、素直に従ったのは正解だった。)

一番上のTITANIUM PACKというプラン。

コスタリカの旅の間には、他にも多くの車が路肩に停めて立ち往生しているのを見かけたので、車のトラブルは相当多いのだと思う。




この記事が、誰かの参考になったら幸いである。



追記:コスタリカの有料道路事情

サン・ホセから大西洋側のリモンへ行く際の幹線道路、そしてサン・ホセから太平洋側に向かう幹線道路、いずれも有料道路になっていて、支払いが必要になる。

ところが、ほとんどのゲートは無人になっていて、しかもほとんどの車はETCみたいな自動決済で通過してゆく。


この赤い看板のゲートだけは、カード決済が可能。


クレジットカードをタッチするだけで通過できるが、無人なので現金しか持っていなかったら、かなりめんどくさいことになっていたと思う。支払額は、日本円に換算してたった数百円なんだけど。

一切、スペイン語以外の表記がないんだよな。

そういえば、日本でも英語とか中国語の表記はあるけど、スペイン語の表記はないから、スペイン語圏ってかなり遠いんだな。