「一番強いブランクはどれですか?」

「Explore Shore-GT プロト4は、もう販売しないのですか?」

「さらに強いロッドを出す予定はありますか?」


最近、たくさんの質問をいただきます。

そこで、直近で、かなりブログを読み込んでいただいた方が、それでも分からないことがある、と質問くださったので、

そのご質問にお答えする形で、Explore Shore-GTのプロト4とプロト5の違い、AIR 965との違いを解説したいと思います。


以下、質問と回答です。

質問1:

>お世話になっております
>お忙しい所すみません、全てのブログ、SNSを何度も読ませてもらいましたがいくつか知りたい事、わからない事があるのでわかる範囲でいいので教えて下さい

>①baseにて売り出しているプロト4のルアー荷重が~250gになってますが、ブログだと~200gになってます。どちらが正しいのでしょうか


ここに関しては、
通常の基準や感覚では、~200gという記載が正しいかと思っています。

ただ、垂らしを長く取ったペンデュラムで投げると、
割と重いルアーも投げられるので、
ストライクプロ・ベベルスイマー200(フック・リング重量込みで約215g)ぐらいなら
普通に振り切ってフルキャストできますし、
250gのキャストにも無理は感じないと思います。

ただ、他社さんのリップルフィッシャー・ファイナルスタンドアップ100SXHと
投げ比べた感じでは、ほぼ同等の投げ心地だったので、
このロッドのルアーMAX記載が160gとあることから、
メーカーによって、マージンの設け方には違いがあるようにも思います。

元々、200g程度のルアーをフルキャストできるマルチピースロッド、を想定して開発をしていますし、
それはクリアできていると思っています。

紛らわしい記載で申し訳ありません。
記載は、~200gで統一します。

質問2:

>②新発売の5ピース965はプロト4に近いとの事ですが、持ち運びを考えなかった場合の強さはプロト4がやはり最強で次に965、プロト5の順番ですか。リフトはプロト5が強いかな?と書いてありましたので
>(かなり作り込まれている様なので大丈夫かとおもいますが、正直マルチピースに少々不安があります、時代は進み時代遅れな考えかも知れませんが…)


強さと言った時に、大きく

・破断強度(=折れる負荷の強度)と、
・リフトパワーの強さ、

の2つがあるので、一概に比べられないと思うのですが、

まず、破断強度は、継ぎ数が多いほど、低くなる傾向があるかと思います。

更に、単純な破断強度の差だけでなく、
ほとんどの場合の破損は、継ぎがガタガタ緩んで、テコが働いて破断が起こる
「うっかり」が原因であることが多いのではと思います。

そういう意味で、
緩みの起こる箇所が増える分、継ぎ数が多いほど不利になるかと思います。


ただ、今のところ5ピースを、割とラフに扱ったりしてテストしてきましたが、
折れたことがないですし、また簡単に折れる感じもしていないです。(しっかり継いだ上で、ですが)


リフトパワーに関しては、
Explore Shore-GT プロト4と
AIR 965では
同等になるように設計・構成しています。


また、
Explore Shore-GT プロト4と
Explore Shore-GT プロト5とでは、
実は、厳密なパワーの違いを比較できているわけではないというのが正直なところです。

同条件で、同サイズの魚を掛けているわけではないのと、
いずれも、キャッチできている最大サイズは、20キロそこそこのGTです。

ロッドのパワー不足を感じるような、
足場のいいところで40キロを超えるような魚とガチで引っ張り合いを試せたわけではない、
というのが実際です。


スペック上の比較をすると、
プロト4がレギュラーテーパーなのに対し、
プロト5は、もう少し手元から曲がるスローテーパー気味になっています。
それによって、プロト5のほうが支点が近くなる分、体への負担は軽くなります。

そして
プロト4が9.7フィート
プロト5が10フィート
(短いほうが、リフトパワーが強い、もしくは同じ負荷なら体への負担が軽い)

プロト4が元径20.0mm、リールシート付近もφ20.0mm
プロト5が元径20.8mm、リールシート付近でφ20.0mm

プロト4のバットセクションのカーボン素材は、30t
プロト5のバットセクションのカーボン素材は、24t-40tコンポジット

という違いです。

このテーパーや長さの違いから、
持つ人の体格によって、ファイト時に
フォアグリップのどの位置を握るか(=支点の位置)も変わるので、
一概に言いづらいところです。


感覚で言うと、
プロト4のほうが、硬い棒のような感じに近くて
プロト5のほうが、曲がり込んだ後に、最後の芯の部分に硬さがあって止まるので、その硬さでリフトする。

プロト4が振った感じは、硬く感じるけれど、
かといって魚を掛けた時にプロト5のほうが弱いかというと、そうとも言えない。むしろリフトしやすいのかも。

そんな感じです。


そういうわけで、使いやすさや僕自身の好みもあって
最終的にプロト5を製品版として、量産しています。

質問3:

>③プロト4のブランクのみは現在(今後も)販売はないのですか


プロト4に関しましては、
それほど多くの要望があるわけではなく、

また、5ピースのAIR965ブランクが、
プロト4のパワーや調子も含めて後継しているため、

よほどのことがない限り、生産することは無いかと思っています。

質問4:

>④今後、これらシリーズの他にガチムチ系を追加で出す予定はありますか


今のところ、未定ですが、
もっと強いブランクも面白そうですね。

ただ、リールシート径20mmが通るバットの太さで、
現在の技術や素材で、最大限の強さになる設計をしているため

これ以上の強さは、リールシート径が22mmでないと組めないものになり、
ただでさえニッチな分野なのに、さらにニッチになってしまいます。

そうなると、強さを求めるなら短いオフショアロッドでいいのでは、
とも思ってしまいます。

質問5:

>⑤一番張りのあるブランクはどれですか
>※一言で言うならティップまで張りのあるタイプを探しております。

>ルアービルドとロッドビルドの両方をやってまして、ルアーに関しては250g位までのプラグを作成中です
>200g付近のプラグを「よっこらしょ」ではなく本気でフルキャスト出来るブランクを探しています
>ヘビー系なのでどのシリーズもそれなりに多少の張りはあると思われます、しっかり曲がり耐える強靭なバットは想像できました、そしてジグより下に構えるプラグ向きとの記事も承知しております


張りの違いは、明解な回答ができなくて申し訳ありません。

というのは、#1のティップセクションは
プロト4とプロト5では、まったく同じなので、
ティップの入り方は同じだからです。

短いほうが、張り(というか振り抜きやすさ?)を感じるかとも思います。



以上から、ご要望を推察すると、

破断箇所が少ない、という意味で、3ピースなら、
プロト4でなくても、プロト5が十分な仕事をしてくれると思いますし、

一方で、5ピースのAIR965も自信作です^^


どうぞ、ご参考にされてください。


プロト5とAIR965のブランクスは、どちらも販売中ですので
よろしければ、お役立てください。
https://bigfishgo.thebase.in/
(無くなり次第、終了。次回生産は未定です。)