今回の行き先は、黒潮が横切る真っ只中のトカラ列島・悪石島。
トビウオの時期としては、今年は少し遅れているようで若干早そうではあったが、こういう時こそ試してみたくなる。
成田から奄美へ、奄美からの上り便のフェリーとしまに乗って悪石島入りした。
今回の仲間は、さらに2週間前からトカラ入りをして、トカラ列島を転々と野宿旅をしている青野くん(トカラ界隈ではアオッティの呼び名で知っている人も多いかも)。弱冠22才。
2年前の諏訪之瀬島で意気投合し、去年は与路島にも一緒に行った。彼との旅はなんだか楽しい。
ここ1ヶ月ぐらい、ずっと野宿でカップ麺を啜っているらしく、大変だろうから、「悪石島でうまいもん喰いながら瀬渡しで沖磯行こうぜ!」って、誘って呼び寄せた。彼の貧乏旅に花を添えてやろうって思ったわけ。
僕もちょうど同じ22歳の頃、6ヶ月間の野宿の釣り旅をしていたから、なんだか自分のことのように見えてしまう。
もちろん年長者の僕の方から誘ったわけで、旅費は僕持ち。その上食糧や必要物資を買い込んで持って行ってあげるという感じで、まあこのGT釣りに若い情熱の全てを注ぐ彼を可愛く思っているわけである。(ところが今回の遠征のオイシイ部分は、全部彼に持ってゆかれるとは、この時点ではまだ予感さえしていない)
さて、諏訪之瀬島からやってきた青野くんと合流し、南海荘に荷物を置いてすぐ、有川船長にお世話になって、悪石島の北のハナレに上礁させてもらう。
9時の満潮からの下げ潮に期待して投げ始めるも、反応するのは2キロ前後のカスミアジばかり。
ヒットルアーはマグナムミノー200。
こちらはちょっとだけサイズアップ。ヒットルアーはロックジャーク170F。やっぱり昼の間はミノーが強し。
あとは、オオクチイシチビキなど。ヒットルアーはアダージョヘビー125。
潮も止まって、弁当を食べ、またゆったりと再開すると、ジャーキングしながら曳いてきたマグナムミノーの後ろに3匹くらいの魚影が付いてくる。
『GT!GT!GT!GT!」
大興奮である。
そして、次の一投。
巻き始めでゴチンッ!
よっしゃーーっ
ところが、足場が滑って、どうにもこうにも体勢が安定しない。
ラインが擦っている感覚を感じて、リールのベールを返しラインをフリーにすると、なんとか沖に誘導できた。
だが、足場をいいところに移動しようとするも、滑って全く足場のグリップが効かない。やばい!一度前のめりに海に落とされそうになった。
完全に魚に振り回された状態。ここではゴムソールでは全くダメである。昨年の秋よりも海苔が多く付いて、少しでも濡れているとデカい魚を掛けただけで完全に制御不能である。
そうこうするうちに、ラインブレイク。
50号のフロロリーダーを6ヒロ入れていたが、リーダーからブレイクだった。
あああーーーっ!
この磯に乗るなら、次回は絶対ピンフェルトのスパイクを持ってくることを誓った。
さて、その後の下げ潮は、全然動かないまま。
潮位が下がって、カキ殻が露出すると滑らないから、多少はやりやすくなってきた。
下げいっぱいから、上げ潮に変わると、ゆっくりと西側に潮が流れ始める。
日も傾いて、ギラギラとやりづらくはあるが、いい雰囲気が漂ってきた。
回収時間も間近の18時に差し掛かった頃。
僕は、ギラギラの太陽を避けて北東側に投げ、「雰囲気はいいのに反応は無いなあ」なんて思っていた頃だった。
ギラギラの太陽に向かって頑張って投げていた青野くんが叫ぶ。
ヒットォッーーーー!
見ると、ロッドがグングン曲がっている。
ロッドを置き、ギャフを持って駆け付ける。
しかし、重そうである。FINAL STAND UPにPE10号のタックルでフルベンドしてもなかなか寄ってこない。
横からラインの動きを見てサポートする。
いいファイト。張り出したテラスに干渉しそうになると、とっさにラインフリーにして沖にうまく誘導している。
前回取り込みやすかった場所に動くことをアドバイスしたが、ラインをフリーにして移動するのもうまい。
海の深いところでギラリと光る魚体。最高の瞬間である。
ギャフも決まった。
ヒャッホーーーーー!!!!!
2人で雄叫びを上げる。
素晴らしい貫禄の魚体。
後ほど、民宿で計量すると27キロジャスト。
ヒットルアーはマグナムミノー。
こうして素晴らしい初日を終えた。
タックルデータ
<タックル1>
ロッド :MC works レイジングブル95SD
リール :Daiwa キャタリナ 6500H
ライン :PE8号+DMVナイロンリーダー200lb 3ヒロ
<タックル2>
ロッド :ゼナック ミュートス・アキュラ 100HH
リール :Daiwa キャタリナ 6500H+RCSスプール6500
ライン :PE8号+PE20号2ヒロ+フロロカーボンリーダー170lb6ヒロ+デビルライン240lb
<タックル3>
ロッド :ゼナック ミュートス・アキュラ 100H
リール :ダイワ 16キャタリナ5000+15ソルティガスプール
ライン :PE6号+フロロカーボンリーダー170lb3ヒロ半
参考情報
民宿・南海荘
みさき丸(有川船長)
TEL 09912-3-2101