スリランカに行ってきた。
水辺の多い国。
インドの南側に浮かぶ、九州よりも少し大きいぐらいの島国で、無数のラグーン(汽水湖)に囲まれている。
西側はアラビア海で遠い対岸にオマーンを望み、東側はベンガル湾とアンダマン海を望む。そして南側は広い広いインド洋。
今回の主な目的は、本業の宝飾業としてのサファイア鉱山視察なのだが、当然ロッドは持ってゆくでしょ^^
このためのロッドを開発しているのだから。
とはいえ、あらかじめネットで調べても、ほとんど釣りの情報は出てこない。
ボートで沖に出たオフショアフィッシングの情報や、汽水湖でのボートフィッシングの情報は見つかるけど、磯からGT狙いとなると、行って試してみるしかない。
グーグルマップで地形や海底の形を見たり、ネット上の海の写真画像や、魚市場の写真を見つつ、やはり磯からGT狙いは南端付近が良さそうだとアタリをつけた。
ティアドロップ型の島の形で、南端エリアもダラッと広いから、なんとなくミリッサの街がいいな、と行き先に決めた。
はじめての国、はじめての街、はじめてのインド洋。ああ、いいね。
【11/20】スリランカ釣行1日目
成田からバンコク経由で、コロンボ着が10時半。
ちなみに、事前情報では入国に際して、ワクチンの接種証明またはPCR検査の陰性証明が必要とのことだったが、実際にはまったくのノーチェック。
コロンボのバンダラナヤケ国際空港からはトゥクトゥクでハイウェイバスターミナルのあるカダワッタ(Kadawatha)へ、
ハイウェイバスでマータラ(Matara)へ、
そしてトゥクトゥクでミリッサ(mirissa)へ。
夕暮れ前に辿り着いた。
ちなみに荷物はこんな感じ。
ホイール付きのスーツケースで、バックパックとして背負うこともできるソロツーリスト・アブロードキャリー70Lには釣り具が満載で、いつものバックパックのほうに貴重品やMac book airやらが入っている。
アブロードキャリー70Lには、仕舞寸法64cmの5ピースのショアGTロッド、BigFishGo AIR965が、ナナメになんとか入る寸法(←ココ重要)。
これ以上長い仕舞寸法だとファスナーが閉まらないし、これよりも大きなサイズのホイール付きバックパックは、現状では見つからなかった。
宿(Sajana Ocean Hill)に荷物を置いて、さっそく下見に出かける。
あらかじめグーグルマップでは見ていた場所も、実際に歩いてみるとなかなか大きな岬で、まずはリゾートホテルの崖の下の岬。
なかなか良さそう。ただリゾートホテルの私有地なので、勝手に釣りはできない。(明日はこのリゾートホテルに宿替えをするかな?)
岬から隣の岬には、ジャングルを通らないと行けないし、小道に入ろうものならメチャメチャ野良犬に吠えられる。明らかに僕が異物なんだろうw
大きい道に回り込んで、次はハーバーのほうへ。
ほうー。
小型のカツオの仲間が大漁。
こっちはサヨリに似た魚。
あとはダツとバラクーダか。
ハーバーを抜けた先のこっちの岬(西端の岬)もいい感じ。
でも、ここはリゾートホテルの私有地である上に、立入禁止になっている。
横移動。
ここもいい。明日の朝は、ここに立つか。
さらに横移動。
ここがシークレットビーチと呼ばれている欧米人にも人気のパーティープレイス。ただ、ここは沖まで岩礁が連なっていて水深がなく、かと言って岩礁の先端に立てるわけでもなく、望みは薄いか。
ここで日が暮れたので宿に戻ることに。
結局、良さそうで、かつ入れるポイントは2つの岬だけ。しかも1つは私有地だから明日の朝は選択肢は1つか。
【11/21】スリランカ釣行2日目
夜明けが何時なのかも分からないので、4時に目覚めて空が白むのを待つ。
5時過ぎにようやく明るくなり始めた。
道端に寝ている野良犬を避けながら、昨日の西から2番目の岬を目指す。
ところが、2番目の岬に入る小道の手前で、薄暗闇の中、野良犬6匹ぐらいが立ちはだかった。すさまじく吠えまくる。
距離を取って、別の道はないかと探すも無いので、もう一回戻っても、やはり吠えまくる。
まだまだ薄暗いジャングルの入り口でこれは無理です。無理無理無理無理無理。やめてください。昼間はぐったりしているくせに夜はなんでそんなに強気なのよ?
あまりに騒がしいので、近所のお母さんが何ごとかと家から出てきてくれた。
お願いして、渋々ながらも一緒に来てもらうことに。
なるほど、道の小石を拾って投げる仕草をすると、野良犬は引き下がるわけか。我々は石を投げるゆえに人間なのか、と我思う。
こうして、崖を降りてポイントに立てた。
大きいルアーではしばらく反応は無いけど、ルアーサイズを下げてゆくとチョピッ!っと何かチェイスはある。
あの手この手でようやくヒットしたのは、この魚。
マングローブジャックかな?ヒットルアーはぶっ飛び君95S。
地元の少年もやってきて、話を聞くと小さなラバーのアーティフィシャル(たぶんワームのことかな?)なら、この魚はたくさん釣れるよ、とのこと。
8時を回ると、海面の照り返しと合わせて日差しが相当熱い。
帰り道の体力がなくならないように、ここで引き上げた。
あの野犬の群れを超えないと行けないポイントに行くのはもうカンベン。
宿を、プライベートな岬を擁するリゾートホテルPalace Mirissaに移すことにした。
なんだか、とってもいいところ。
昼の間は、プールに入ったり、街をブラブラしたりして過ごし、夕方に崖を降りる。
やっぱり、いい感じ。
とはいえ、沖合で立ち上がるウネリが時々ものすごく大きいので、立てる足場は2つしかない。
目の前は果てないインド洋、対岸は言ったら南極まで何もない。
栄養分は、かなり少ない海に見える。
また、外洋に面している割に、流れはほとんどない。
でも、投げる。
投げる。
投げる。
たぶん、ここで19センチのダイビングペンシルを9.6フィートのロッドでフルキャストしたルアーマンなんて、数える程もいないんじゃないか。
ロウニンアジなら、沿岸を通りかかってゆくはず。
そして、そこに今まで見たことのないダイビングペンシルがヨロヨロ泳いでいたら、迷わず食うはず!サイズ関係ないでしょ。
あたりは、暗くなってゆく。
でも、僕には大丈夫。野犬のジャングルを抜ける必要もないし、崖を登れば我が宿。
と、手前のサラシを漂わせると、ヒュカッ!!
平べったい大きめの魚体が翻った。
乗らない。
もう一投。
出た!
が、鼻先で触って乗らない。
そして、その後はルアーを換えても、もう反応なし。
夜に、もう一度来てみたが、もう体力も尽きた。
2日目終了。
【11/22】スリランカ釣行3日目
夜明け前の5時には、岬の先端に立った。
もう、あとは通りかかった魚と、遭遇のタイミングを合わせるのみである。
立てるポイントも、ほぼ1箇所。
その上、波を被る先端には立てないので、小さなワンドの奥から投げるしかなく、曳けるコースも30度ぐらいしかない。
ただ、この小さなワンドが、絶妙のサラシで満たされていて、払い出しに流されたベイトを通りかかった大型魚が拾い喰いするだろうことが想像される。釣り人の気配も消してくれる(と想像する)。
朝イチから、昨日のダイビングペンシルを撃ち続けて反応がないまま陽も昇ってきたので、ルアーサイズを下げてブローウィン140Sを沖からジャーキングしてきて、サラシで止める。
ン?
ンンンッ!
すると、程なく走り出す。
ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
止まらんー
フック弱いし。と思いつつもスプールに手を掛けて制御しようとするも、フッ!
完全にフック伸ばされたー。
一応、デフォルトのフックよりは強めのフックに替えてたんだけど、為すすべ無し。
バラすと、もう反応はない。これっきり。
あれだけ回数を通して、ルアーサイズを下げるや、一発でヒット。
偶然通りかかったのか、選んで食っているのかは分からない。
そして、ついに報われる夕方が訪れる。
続く。
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