月の明かりが届かない闇夜、

産卵のため岸際に押し寄せるトビウオの大群、

それを追いかける巨大魚たちの激しいライズ、

そして、凄まじいファイト、

これを追いかけて、今年もトカラにやってきた。

もう4年目になる。

去年35キロのロウニンアジをキャッチしてから、もう堤防はいいかな、なんて思いはじめ、実のところ悪石島の磯に行くことを計画していたのだが、直前の天気予報を見て、急遽磯には乗れないと判断、諏訪之瀬島行きに切り替えることにした。

今回のトカラ遠征は、フェリーとしまが臨時で週3便を運行する週に狙いを定めて、月曜の23時鹿児島発の下り便で島に入って2日釣りをし、下り便で奄美大島に着いた木曜日にその日のうちにバニラエアに乗り継いで帰る全3日半の弾丸スケジュール。

LCCの乗り継ぎもいいことから予算は6万円ほどで済むため、東京からでもかなり狙いやすいプラン(←オススメです)

さて、諏訪之瀬島に着いたら、早速、磯に降りてみたくなる。

装備を整えて(フェルトピンスパイク必須)、南端の地磯へ向かう。

水温は25.8℃。南西に向けていい雰囲気の潮が流れているが、反応するのはダツぐらい。

元浦港にも下見を兼ねて、足を運ぶ。

タンカーの座礁地点は、港のすぐ近くだが影響はなさそう(地磯には油の付着した跡があったが)。

さて、そうこうしているうちに夜を迎える。

島の時間はあっという間だ。地磯歩きはしなくて良かったかな。もう体力は残り少なくなっている。(でも好奇心には逆らえないんだよな。激流の磯にはとりあえずビッグルアーを放り込んでみたくなる。)

向かったのは、ここ数日調子が上向きと聞いている東側の切石港。

風は堤防の突端に向けてちょうど真正面からの向かい風、約10メートル。

日が落ちるとともに、1組、2組と人が増え、ルアーマンは8名。

ほとんど皆、向かい風を避けて内側を撃っているため、外角は誰も撃たない。

僕は、あくまでイソンボ狙いだから、外角で風に向かって黙々とベベルスイマーを投げていた。

水深は足元手前で20メートルぐらいか。

フルキャストして10秒ぐらいフリーフォール、そこからテンションフォールで底に着くか着かないかぐらいまで落として、ゆっくりとしたトゥイッチでユラン、ユランとシャクリ上げてくる。

ワンピッチジャークの動きをビッグプラグでゆっくりやるようなイメージ。

あくまで狙いはイソンボ。GTよりは速めのスピードを意識して、外側一帯を立体的に撃ち続けていた時だった。

外角の沖にはわずかにトビウオが寄っているのは、自分で持ってきたサーチライトで確認している(独り、ウッシッシと思って撃っていたwww)。

向かい風だから確かにそんなには飛ばないが、ルアー重量が200グラムを超えるので風に負けるということはない。逆にまっすぐ風に向かえば、ラインは張るし、底も取れる。

コンッ!そしてユラリッと何かが触ったような感触。

おおっ!

いつもながら、この瞬間は、全身に身震いが走る。恐怖と期待感が混ざった戦慄。

場合によっては自分よりデカい魚がラインの向こうにいるわけで、しかもイソマグロなら、いきなり最高速に達するような走りをする。命を持っていかれかねない。

テンションを張るが乗らない。

もう一投。

底付近まで沈めて、竿先で弾くような移動距離の短いトゥイッチ。

ユラ〜ン、ユラ〜ン、ユラ〜ン、ユラ〜ン、ユラ〜ン、

コンッ!!

おっ!

あわてない。

ンンンンンンンッ!ジ、ジ、ジ、ジ、ジジジジジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

きたーーーーーー!!

フッキングを入れて、バットエンドを下腹に当てて持ち替えてからアワセを大きくもう一回。

がっちりフッキングした。

力強いファーストラン。

ハンドドラグで制しつつ、ドラグを半周締め、バットパワーでためる。

首を降らない走り。

なんだろう。

しかも、バットパワーでためてもなかなか寄らない。

外角を回られ、耐えていると、次は内角を回られ、そしてまた外角に。

オープンエリアだから根ズレの心配はないが、ファイトタイムはかれこれもう10分以上。こっちの筋力はもう無い。

やっとの事で浮かすと、浮かび上がったのは平べったい魚体、GTだ。

みなさんのご協力を得て、落としダモを入れていただき、ランディング。

うおーーー!やっぱりデカい。

体重計計測で、32キロ。

ていうか、いい写真がないwwwwww

顎の下の喉元に掛かっていたから、首振りを感じなかったし、よく引いたらしい。

リリースすると、フラフラながらも、なんとか泳いで行ってくれた。

僕も、もうフラフラ。足腰はプルプル震えるし、背中の筋肉もパンパン。

もう釣りどころではなくなってしまった。

その後しばらく後に、堤防内側に入ったトビウオに着いて、GTが入ったらしく、島の学校の先生が38キロのGTをキャッチ。杉田さんも25キロ前後のGTをキャッチ。

そして直後、今回ご一緒させていただいた中島さんのロッドも曲がる。

素晴らしい。FINAL STAND UPがまるでボートロッドみたいに見える力強いファイト。

でも時折、100キロオーバーの中島さんが引っ張られている。

これは40キロオーバー確定か?と思いきや、顎下掛かりの実測29キロ。

ナイスフィッシュ!

もう僕は、体力が底をついてしまった。

何度か投げて、小さなアタリを2度ほど得たが乗らず。というか乗せてたらヤバかった。

その後、力尽きて車で眠っていたが、その間にイソマグロのフィーバータイムがあったらしい。

ラインブレイク、歯ズレ、フックオフと誰も獲れなかったらしいが、数分の内にアタリが頻発したらしい。

午前3時前。

トビウオは、港外に出て行ってしまったらしく、雨脚も強く、散会となった。

明日こそは!!

ちなみに、ルアーと接続はこんな感じ。

ベベルスイマーに、フックはST66の5/0

イソマグロに狙いを絞ってバイトリーダーとしてデビルライン240lbを10センチぐらい、ソリッドリング300lbでリーダーに漁師結びで接続。

リーダーは、DMVナイロンの200lbを1ヒロ半で十分。メインラインとの接続は単線のFGノット。闇夜での釣りなのでFGノットがトップガイドに当たったところで巻きを止めて、ちょうど結び目をガイドの外に出して投げれる、飛距離を殺さないラインシステム。

中島さんのルアーは、FCLLABOのSPPtunaに自作のツインフック。

ルアー重量が135gでやや前傾の水平フォール。やや小ぶりで重いため、風が強くても沈下させやすいらしい。勉強になるなー。これは買っとかなきゃと思った。

<タックルデータ>

ロッド :MC works レイジングブル95SD

リール :Daiwa キャタリナ 6500HRCSスプール6500
ライン :PE8号+DMVナイロンリーダー200lb 1ヒロ半+デビルライン240lb

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