二日目の夕食の後、夜の堤防に出掛けてみた。

サーチライトで確認できたのは、トビウオ2匹。

しばらく投げてみるが、すぐに眠くなって諦めた。

【悪石島釣行三日目】

これがラストチャンス。

しかも昼から波が上がるため、お昼までで回収だろうとのことだった。1.5メートルを超えると船をつけるのは困難になる。

前日に、船長に無理を言って、昼上がりなら弁当はいらないし朝の5時に出港してもらえることになった。薄明るくなる頃には投げ始められるように上礁する。

北東方向から潮波が打ち寄せ、前には出られないが、いい感じのサラシが広がる。

しかし、夜半から小雨が降り続け、磯の上はめちゃ滑る。

魚を掛けても、このおぼつかない足元のグリップでは、ファイトができるかどうか。

まずは、ワイルドレスポンス240から投げ始める。

青野くんは、マグナムミノーからwwwwww(←おいっ、こら!!)

トップでは磯際でワンバイト出るも、後が続かないからレンジを下げて、僕もマグナムミノーを投げ始めてみる。

掛けても獲れるところで、と、オープンエリアの方に投げ、強めの連続ジャーク。

ジャーク、ジャーク、ジャーク、ジャーク、ゴンッッ、ンンンッ!!!

よっしゃあ!

しかしフッキングの動作に入るとすっぽ抜け。惜しい。

次は、青野くん。

マグナムミノーで、ゴリゴリのタックルセッティングで根際を攻めていると、ヒットーー!!

しかし、すぐに軽くなってしまったみたい。リーダーのチモトですっぱり切れていたから歯ズレか?もしかしてイソマグロだったのかも、なんて話していた。

ここから更に雨脚も強くなってきて、波も上がり雰囲気はいいのに、反応は無くなってしまった。

潮の流れは諏訪之瀬島方面に流れる本命潮。しかも乗っている瀬に当たるほど潮目も近い。ローライト、波っ気、本命潮、潮目、追い風、すべての好条件が重なっているのに、今日は朝マヅメ以降なぜかダツさえも反応しない。

今回は、これでお終いかな、なんて、連日のハードな磯の上の生活で疲れも溜まり、しばらく岩陰で仮眠。

回収間際、さんざん反応がないままだったから、手を替えてみて、ベベルスイマー200を沈めてみることにした。

もう回収に来た船は遠くに見えている。

すると、巨大なダツが追いかけてくるのが見えた。

おおっ!珍しく反応がある。

もう一投だけ。粘りの最後の一投。

潮目の奥にベベルスイマーを投げ、12カウントぐらい。

そして強く激しい連続ジャーク。投げやりなほど激しく。

ジャーク!ジャーク!ジャーク!

ゴチンッ!!!!

喰った!まじか!?

と、途端に、もの凄い突進に変わる。

ドラグを締め過ぎていたのもある。足元も滑る。落とされると思い、後ろに全体重を掛けて踏ん張って耐える。耐えることしかできない。

駆け付けた青野くんが「ラインフリー!」と言ったのが聞こえた。が、締め込んだドラグが滑るぐらいの負荷が掛かっているわけで耐えるのがやっと。ベールを返すこともできない。

耐える。

上体を起こそうものなら、滑って落ちかねない。

耐える。

スローモーションで、ラインが右に動いて行くのだけを目が追っていた。

そしてプンッッッ!

あっ。

ハエ根に触れてメインラインが飛び、後ろに転げた。

呆然と、雨の空を仰ぐ。

完全に負けた。

深いところで掛けたというのもある。ゴムソールの靴しか持って来ておらずグリップできないのも敗因だろう。昨日ドラグを締め込んで、そのままだったのも詰めが甘かっただろう。筋トレだってさぼっていた。

敗因が多すぎる。

果たして、あの時ラインフリーができたとして、その後、アイツを獲れたのだろうか?

そして、あの魚の正体はなんだったのか?

悔しくてたまらない。

あのジャークの時のゴチン!の感覚、強烈な突進、書いている今でも手の中に残っている。

こうして、三日間の悪石島の沖磯釣行を終えた。

青野くんとの釣行では、本当に勉強になった。

改善点もたくさん見えた。

もう一度準備を整えて、来月、トカラのどこかの磯での再挑戦を誓った。

<タックルデータ>

ロッド :MC works レイジングブル95SD

リール :Daiwa キャタリナ 6500H
ライン :PE8号+DMVナイロンリーダー200lb 3ヒロ

ロッド :ゼナック ミュートス・アキュラ 100HH

リール :Daiwa キャタリナ 6500HRCSスプール6500
ライン :PE8号+PE20号2ヒロ+フロロカーボンリーダー170lb6ヒロ+デビルライン240lb

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