今回の旅には、いくつかのテーマがある。

なにしろ、11日間もの期間を取っているわけで、複数のテーマ、複数の目標、複数のミッションを設定した。

もちろん、途中でテーマやミッションは更新したりも、付け足されたりもする。


そんなテーマの中の1つが、国家破綻した国を見てみるということ。

これには日本が破綻した場合はどうなるか、という人ごとではない想定も含む。


釣り&旅がテーマのブログだけど、見知らぬ土地で魚にたどり着くには国や人についての理解が大事だと思うので、書いておきたいと思う。


国家財政が破綻した国・スリランカ

今年2022年の夏に、スリランカの破綻と、このような暴動の写真がニュースになっていた。

だから今回、スリランカのサファイア鉱山の視察のお誘いをもらったときも、少し耳を疑った。

しかし、よくよくお話を聞くと、暴動は首都でしばらく起きただけで、普通の人々は普通に穏やかに暮らしているという。


破綻の原因は、新型コロナウィルスによる経済危機とも言われるし、米中対立が原因だとも言われる。また、中国が貸付を引き上げたとか、あるいはESG農業を推し進めすぎだという論点もあったりする。

スリランカの人々に聞くと、国家のリーダーが私腹を肥やして逃げてしまったからだ、と口を揃えて言う。

個人的には、アメリカの政策金利の引き上げが原因で、世界で一番脆弱だったスリランカがまず財政破綻した、そしてこれは始まりに過ぎないのではと思っている。

日本でも楽天の破綻がツイッター上の噂として駆け回ったし、先日のFTXの倒産もそう。バブルで膨らんだものを締め付ければ脆弱なシステムから壊れてゆく。

だからこそ、破綻の原因は追いかけても、そんなに意味はないと思う。破綻しうる要素があったから破綻したのだから。

それよりも、破綻するとどうなるのか、日本がもし破綻したらどうなるのだろう。

そういうことを考えてみたいと思った。考えておく必要があるかもと。


破綻とは何か?何が起きているのか?

一般的には、破綻とかデフォルトというのは、借金の金利を払えなくなった状態を言う。債務不履行。

国家財政が破綻したからといって、スリランカという国が無くなるわけではない。

ただ国が借金を返せなくなって、それでも人々は日々を生きている。当たり前だが。


今回、スリランカに行ってみて思ったのは、「破綻」という言葉の割に、人々は穏やかに日々を一生懸命生きており、そして出会う人がみなとても親切だということ。

暴力的な感じなんて全くないし、絶望感なども感じなかった。事実、旅の間に一度も喧嘩や怒号などを見かけることもなかった。


一方で、確かにスーパーマーケットの物の値段は、日本の地方と変わらないぐらいになっていて、毎回、買い物のたびに結構高いなあという印象ではあった。

所得平均が日本の1/5程度で、物価が日本と同等なのだから、大変ではある。


それでも、人々が生きてゆけるのは、食料自給率の高さ故なのではないかと思った。

スリランカのコメの自給率は120%。だから輸入品が高騰しても、少なくとも飢えには陥らない。これが日本とは大きく異なる。


おうちにお呼ばれ:ケース1

今回のスリランカ旅では、2つのお家にお呼ばれして訪れる機会に恵まれた。

財政破綻したとされる国を、深くまで体験・考察できる機会として、存分に飛び込んでみた。


まずはじめは、ミリッサの街で出会った、サリルくん。


海で釣竿を振っていると、すぐに友達になったw

若い船長さんで、28才でオマーンとか、モルディブとか、アンダマン海まで遠洋漁業に出る大型船のキャプテンをやっているのだそう。

一緒にタバコを吸って、釣りの話で盛り上がっていると、「明日、俺のうちに来ないか?」ということになった。

なんだか面白そうだし、瞳がまっすぐだし、釣りの話が合うし、なんか気が合う。2つ返事で「行くよ!」ということになった。


シークレットビーチに行く途中の、仏像のお祀りされている祠の隣のおうち。


椰子の木で出来たおうちに、奥さんと子供が2人。下の子は6ヶ月で、上の子は我が家と同じ8歳。


早速、釣った魚を捌いて、フィッシュカレーを作ることになった。

ブツ切りの魚に、各種スパイスを加えて煮込み、

炊いたご飯とココナッツを削ったフレークをたっぷりかけていただく。

近所のみんなも集めてフィッシュカレーパーティー!

おれ、こういうの好きよ。

なにこれ!超うまい。


お腹いっぱいになったら、さあ、秘密のポイントに釣りにでも行こう!と。

シンプルな孔雀の羽のウキに、海藻のエサを現地調達して釣るスタイル。


なにも釣れずに、帰ってくる、の図w



そして、近所の奥さんの実家で、木陰でスリランカコーヒーをいただきながら、奥さんのお母さんと談笑。

「物価が高くて、本当に大変なのよ!」と。

「僕に何かできることはある??」

「日本で働けない?」

「それは、僕にもやり方がわからない」

「じゃあ、チョコレートが食べたい。子供たちにチョコレートさえも買ってあげられない」

「O.K!じゃあスーパーマーケットに行こう!」

サリルには、本当に親切にしてもらったし、フィッシュカレーのお礼もしたい。


サリルの奥さんのお母さんと、サリルの8歳の息子、サリルの甥っ子と僕の4人で、街のスーパーマケットへトゥクトゥクで繰り出す。

家族で買い物って楽しいね〜♩

ノリノリでカートいっぱいにチョコレートやお菓子や食べ物を満たしてゆく。

いいじゃん、こういうのもたまには出来たら。


こうして、3人を見送った。買い物に使ったのは20000ルピー、8000円ぐらい。

あとに残ったのは、楽しいフィッシュカレーの思い出と、家族での楽しい買い物の思い出。

そしてフィッシュカレーには、生活が大変な中でも精一杯のおもてなしをしようとしてくれたサリルの心遣いに溢れていたことに、改めて気づいた。胸アツ。


おうちにお呼ばれ:ケース2

もう1つのケースは、ヒッカドゥワの街にて。

夕暮れの街を、釣りの帰りに釣竿を持って歩いていると、

「でっかい魚が釣れるよ。湖のほとりの我が家に来ないか?」

とトゥクトゥクドライバーのおじさんが言う。

「はい。行きます。」

翌朝6時に、ホテル前に迎えにきてくれる約束をした。



ヒッカドゥワ湖の湖畔のおうち。スダさん。

昔はドイツで働いていて建てたんだ、と。ゲストルームもあって、トゥクトゥクドライバーだけでなく、シナモン農場もやっていて、2人の子供は大学に行っていると言う。

複数の仕事を持っているとのことで、「僕と同じだね」と。


早速、湖畔にテーブルを持ってきてくれて、テーブルクロスをかけて、モーニングティー。

奥様が焼いてくれたフワフワモチモチとパリパリのケーキみたいなスリランカの朝食。

水面と紅茶が、朝日に煌めく。




「さあ、ボートに乗って釣りにゆこう」



なにも釣れずに、帰ってくる、の図w



大学に子供2人を行かせるのは大変だと言う。1人は医学部で、もう1人は物理学を専攻とのこと。


宝石の鉱山(ムーンストーン鉱山)にも案内してもらい、シナモン農場を見学し、翌朝もコロンボまで車で乗せて行ってくれる約束をして、コロンボでお別れした。

もちろん、お金を支払ったけれども、すごく良くおもてなししてもらった。




と、スリランカの財政破綻とは、どれぐらい関係がある話になったかは分からないけれど、肌で感じた経済状況のレポートでした。



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【スリランカ鉱山&釣り旅】ネイティブ バラマンディへの道