奄美に行ってきた。

最近、いろいろな方から奄美に一緒に行きたいと連絡をもらうことが多いのだが、僕が奄美に行くときの日程は天気を見て2日前に決定とかになるので、なかなか誘いづらい。

早めに日程を決めると悪天候の場合のキャンセルコスト(時間的にも金銭的にも労力的にも)が高くつくし、直前に言って日程を合わせられる人はなかなかいない。

ちなみに奄美南部の瀬渡しは1人でも船を出してくれるところがあるので1人が動きやすいのである。そのルートは過去の記事で書いているので、興味のある方は辿ってみてほしい。


さて、今回もそんなふうに日程を決めたのだが、海の天気は難しい。

波予報では、ずっと凪のはずだったが、天候急変でどしゃ降りの雨に。しかも、雨が降るときは急に風が吹き始めて海も時化る。

一日目は、南東の風を避けられるステン崎に渡してもらった。

初めての場所なので、高台から見渡して、状況を把握する。

すると岬の先端で、ズバシャーン!!と水面が湧く。

気持ちは逸るが、落ち着いてタックルを組んで、さあ開始だ。

はじめは、瀬際になるべく立たないように、先端から10メートルぐらい後ろに立って、先端をかすめるようなコースでルアーを曳いてゆく。

いつも、この瞬間の期待と緊張感がたまらない。

だが、ボイルは散発的に続いているのに、ルアーには反応しない。

見た感じでは、瀬際の3センチぐらいの小魚に、それほど大きくない魚がつっこんで捕食しているみたい。こういう捕食の仕方はカスミアジか。

いつまでもルアーには出ないので、じれったくなって先端に立って覗き込むと、足元をいいサイズのロウニンアジが人影を避けるようにユラっと去って行った。

やっぱり、これをやっちゃダメだよな。

海が穏やかだと先端に立ちたくなってしまうが、むしろ波が高くて先端まで出られないほうがいい結果になることが多いのは、こういう理由もあると思う。

上げ潮止まりを迎え、潮が緩んだので、ジグを落として跳ね上げると、グンッ!

うまそうなこの魚。

ハージン(スジアラ)。1キロあるかないかぐらい。ヒットルアーはTGベイト100g

ストリンガーに掛けて再開。

相変わらず瀬際のマイクロベイトに散発的にボイルしているのは、切れ長のシルエットからどうやらバラクーダらしい。

40~50センチそこそこのサイズなので、20センチのルアーにはさすがに食ってこない。

ちなみに、釣れたハージンをストリンガーに掛ける際に、一緒に大きめのフックもぶらさげておいたら、こいつに変わっていた。

ネムリブカ。14キロ。

南の海でストリンガーで美味しい魚をキープ出来たことって、記憶にない。。

雨は一日降ったり止んだり、風が吹くと、じっとり寒い。

そんなこんなで、投げ続けるも、日が暮れて回収の18時半。

船長の話では、ここ1ヶ月、潮も上のほうの潮だけしか流れず、ムロアジもカンパチも、ホタでさえも全くいない海になっているという。

しかも、明日は南西から西に風が回るらしい。

この海域は南のウネリが入ると、ほとんどの瀬に乗れなくなってしまう。

さあ、どんな釣りをすればいいのだろうか。

二日目。

朝、外に出てみると、風は止んでいる。

それなら、西側に行ってみようか、ということになった。

この前にも乗ったオオセというハナレ岩。

上げ潮が、北に向けて流れ、瀬の先端をかすめた裏にいい感じのヨレを作っている。

6時に開始して、1時間ぐらい投げ続けた頃だろうか。雰囲気はバツグンにいいが、魚らしき姿はこれまで何も見えていない。

風は真横から。ポッパーを流しながら、ヨレを横切らせること30投ぐらい。

バッシュ、バッシュ、バッシュ、バッシュ、バッシュ、バッシュ、バッシュ、バッシュ、ガボンッッッッ!!

突然出た!

手前の岬の影から、ポッパーの頭に向かって食う魚体が見えた。あの筋肉質の背中は明らかにカマジ(ロウニンアジの奄美での方言)。

巨大な波紋と水中に引き込まれた白泡。一呼吸置いて、ロッドに重みが乗る。

よっしゃ!

ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

後ろに体重を乗せて、合わせを一発。

手前の岬の角だけ気をつければ、割と開けた場所。

ウネリは怖いが、岬の角で擦れないように一歩前に出た。

大波が足を洗う。ロッドを起こすとファーストランは止まった。

力強いが、バットで溜めると魚のグンッという引きに反発したバットパワーで頭はこっちを向く。

いける。

セカンドランもロッドを立てて溜めれば、ドラグはジ、ジジジ、ジと出るぐらい。

ドラグは10キロちょっとぐらいで、これ以上ドラグを締めるとのされるし、ロッドの曲り込みも足場が不安定な磯の上ではこれ以上硬くてもやっぱりロッドを起こせない。

いいロッドに仕上がっていると思う(Explore プロト5)。

これはもらったか。

目測20キロは超えたかな、ただこの寄り方なら30キロはないかもだな。

これで、もう早上がりでもいいな。

ほんの一瞬のことだが、色々な考えが頭の中を巡る。

魚は右に旋回してゆく。

と、ギコギコ。

嫌な感触。

シモリに当たっているみたい。

そこにシモリがあるのかよ。

とっさにスプールを返してテンションを抜く。

魚は少し向きを変えるが外れない。

ズズズ。

ギコギコ感は消えない。

張らず緩めず。

ズズズ。

獲れないか。

固まる。。。

ラインの先にはまだわずかに生命感がある。

長い。

ズズズ。

フッ

ああーーーーっ!

メインラインからブレイク。

あのサイズ。

シモリに当たった時、無理矢理でもリフトしてれば獲れていたのだろうか。

あるいは、その前にほんのわずかでも渾身の力で寄せていればよかったのか。

時間は戻らない。

またしても惨敗。

ヒットルアーは、前回と同じくお気に入りのブルポッパー200。またしてもここで殉職。

その後は、16時ごろにバラクーダが一本。

実測5.4キロ。ヒットルアーはワイルドレスポンス240

その後、ウネリが西に回り込んで、急いで船長が回収に来てくれて、終了。

翌朝三日目は、ダツとバラクーダがちょっかいを出してきたぐらいで、回収の10時に。

帰りは奄美からバニラエアで関空に(バニラエアとエアアジアが統合されるらしく、この路線は無くなる?)、そして新幹線で東京に戻っているところ。

さあ、ゴールデンウィーク。仕事がんばるぜい。

釣りは結果が出せるまで、淡々と撃ち続け、スキルアップしてゆくしかない。


<タックルデータ>

ロッド    :Explore Shore-GT プロト5(チタンガイド15点バージョン)

リール    :Daiwa キャタリナ 6500HRCSスプール6500

メインライン :バリバス マックスパワー8号

スペーサー  :PE15号 2ヒロ

リーダー   :潮聲60号 4ヒロ



ロッド    :Explore Shore-GT プロト5(ステンレスオーシャンガイド8点バージョン)

リール    :ソルティガ6500

メインライン :バリバス マックスパワー8号

スペーサー  :PE15号 2ヒロ

リーダー   :潮聲60号 4ヒロ



ロッド    :Explore Shore-GT プロト3

リール    :ツインパワー8000PG

メインライン :バリバス SMP 6号

スペーサー  :PE15号 2ヒロ

リーダー   :潮聲50号 4ヒロ

—–