3ピースのショアGTロッド、Exploreの注文制作分全ての組み立てが完了した。
いやー、大変だった。
本業のジュエリーデザインのほうでも注文が殺到したことと重なって、朝から深夜まで1ヶ月間休みなく手を動かし続けた。
制作自体は好きなのだが、もうおなかいっぱいである。
そこで今日は、Exploreのロッドビルディングについて、ブランクで購入された方、あるいは購入を検討している方に役立てていただけるように、いただいた質問への回答や要点などを書き残しておきたいと思う。
スパイン出しについて
これ、やってみたいって人は結構多いのではないかと思う。
実際にやってみると、ロッドの成り立ちとか物理特性が肌感覚で感じられて面白い。
ちなみにスパインとは何か?や、やり方の詳しい方法は、こちらのページなどが参考になると思う。
→ http://www.matagi.co.jp/fujiseisaku/spine/spine.html
それで、Exploreのスパイン出しについては、#1(ティップセクション)は結構わかりやすいのだが、#2はやや分かりづらく。#3(バットセクション)は、ほとんど分からない。
3番なんかは強すぎて、手ではほとんど曲がらない。2番もかなり硬い。
ただ、ブランクをよく目を凝らして見ると、
このように巻き終わりの線が見える。
#1も#2も、この巻き終わりの線付近が、スパインになっているのを感じられる。(スパインは巻き終わりの線の向かって右側)
#3も、この巻き終わりの線を手掛かりにして、スパインを推定するという形がいいかと思う。
ただ、バット部分ぐらい肉厚で、これぐらいプライ数が多くなると、スパイン(周辺よりも巻きが一重多い箇所)の影響は、限りなく小さくなるかと思う。また巻き終わりの線もやや螺旋を巻いているので、#3はスパインはほとんど気にしなくていいと思う。
スピニングロッドなら、基本的にスパインを背にしてスパインの反対側にガイドを乗せる。
ガイドセッティングについて
これも、あれこれ試行錯誤してみたい人は多いと思うので、自分でベストセッティングを見つけたいよ!という方は読み飛ばしてもらえたらと思う。
ただやってみると、案外、ロッドアクションに影響が大きいのはバットガイドの位置だけなんじゃないかという結論。
それ以外のガイドはよっぽど変なことをしない限り、だいたい結果は変わらない。(って言うと少し乱暴かもしれないがww)
Explore Shore-GT プロト5 スピニングバージョンでは、8点ステンレスオーシャンガイドはP-MNST16、P-KWSG16×4点、P-KWSG20、P-MNSG30、P-MNSG40という構成。
トップガイドのリングの先から、それぞれのガイドまでの距離(ガイドリングの頭部分までの距離)で記すと、
150mm、345mm、560mm、790mm、1040mm、1340mm、1680mm、という間隔。
ガイド間距離で記すと、
150mm、195mm、215mm、230mm、250mm、300mm、340mm、ということになります。
ちなみにこれは、グリップ長(エンドからリールシートの中央までの長さ)が55cmの場合のガイド配置。なぜここでグリップ長を記載しているのかと言うと、リールシートの中央からトップガイドまでの距離の1/3の位置にバットガイドを置くのを基準にして8点のガイドを配置しているから。
15点チタンガイドのほうは、T-MNST12、T-KWSG12S×11点、T-KWSG12M、T-RVTG16FH、T-RVTG25FHという構成。
ガイドの位置は、トップガイドのリングの先から、それぞれのガイドまでの距離(ガイドリングの頭部分までの距離)で記すと、
60mm、130mm、205mm、305mm、410mm、525mm、650mm、775mm、800mm、925mm、1055mm、1185mm、1365mm、1595mm。
ガイド間距離で記すと、
60mm、70mm、75mm、100mm、105mm、115mm、125mm、125mm、125mm、125mm、130mm、130mm、180mm、230mm、ということになります。
エポキシ樹脂について
ガイドラッピングに使うエポキシ樹脂は、これまで数社のものを試した中では、作業性や性質、性能などを含めて、システムスリーのシルバーチップエポキシ(硬化材ファースト)が最高だと思う。
システムスリー シルバーチップ
→ http://www.woodencanoe.net/epoxy/silvertipepoxy.html
グリップの組み立てに使うエポキシ接着剤は、硬化開始時間が長めのコニシボンド Eセットが好み。硬化開始時間が長いほうがキツいEVAグリップをねじ込む際など、心の余裕ができて助かる。(途中で硬化が始まったら悪夢ww)
コニシボンド Eセット
Q&A
以下、今回の制作と納品において、いただいた質問と回答を残しておきたいと思う。
Q1:
遠征等に数多く行ってらっしゃる廣瀬さんにご相談なのですが、使ってらっしゃる塩ビ管のロッドケースはどのような寸法なのでしょうか?
自分もロッドケースを自作したいと思いまして。
A1:
もっともよく使っている塩ビ管のロッドケースは、
排水用塩ビパイプ VU 100
の両側に、VUキャップ VU-C 100を2つ付けただけ
です。
あとは、適当にロープで、持ち手を作っています。
このキャップの場合、塩ビ管の長さいっぱいにロッドが収まるので、2メートル尺を1100mmにカットして使っています。
LCCでは、長さ1200mmまで無料のところがほとんどなので、1150mmぐらいに余裕を持たせてもいいかもしれません。
これでExplore2組と、コルトスナイパー1000MH-3と合わせて合計3組が入ります。
ただ、少し窮屈なため、ロッドのガイドがEVAに食い込んで跡が付いたりします。1つ大きな径のVU125にするのもいいかもしれません。
あとは今、考えているのは、
テイルウォーク ロッドバッグハード 186
は、肉薄で軽い上に、簡単にカットできそうなので、これを1150mmでカットするのも良いかもと思っているところです。
Q2:
グリップの部分はパーツを削り出して作っているようなので個人では手が出しづらいのですが、グリップだけ組み立ててもらって、それ以外はブランクのままで購入はできますか?
A2:
はい、可能です。
グリップだけを組み立てたブランクにつきましては、+グリップ組み立て加工費9,000円(税別)で出来ます。
グリップの組み立てには少しお時間をいただきますが(タイミングによって1~2ヶ月)、ご希望の場合はお知らせください。
ブランクの購入はこちらから(少しだけ在庫があります)
→ https://bigfishgo.thebase.in/
Q3:
3ピースブランクとグリップの購入を検討しておりますが、
グリップエンド部のアルミパーツは何グラムなのか教えていただきたいです。
また、フロントグリップなしの場合、DPS先端部の処理はどのようにしているのか、
DPS先端部のブランク径はどのくらいなのか
教えていただければと思います。
A3:
まず、グリップエンド部のアルミパーツの重量は、約56.6gです。
ちなみにフロントパーツは、約7.7gです。
フロントグリップなしの場合、DPS先端部は、こちらの最新版のBigFishGo Explore 1003では、
→ https://bigfishgo.thebase.in/items/60513889
スレッドを巻いて、エポキシコーティングをすると、ちょうど、DPS-20のツラと同じぐらいの高さ(=直径)になります。
この状態で、ダブルナットは通り抜けますが、タコ糸グリップの部分は抜けないので、例えば現場などで脱落してしまうことはないような設計です。
DPS先端部のブランク径は、#3にはテーパーが付いているので、リアグリップ長によって多少異なりますが、φ18.9mm〜φ19.0mmとなります。
タコ糸の0.5mm前後のものを一重巻くと、ちょうどDPS-20の内径に合う外径になります。
次回の注文制作の予約について
次回の注文制作については、時期はまだ未定です。
ご予約状況によっては、生産体制の構築や生産委託などの方法も検討したいと思っています。
ですので、ご希望の方は、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
廣瀬一京
ikkei.hirose@gmail.com
バリエーションは、今のところ次の3つです。このご希望も合わせてお知らせいただければと思います。(実際の注文受付時に、改めて確定していただくので、予約時点では仮でもOKです)
・Explore Shore-GT Proto5 チタンガイド15点バージョン
・Explore Shore-GT Proto5 ステンレスオーシャンガイド8点バージョン
・Explore Shore-GT Proto4(9.7フィート) ステンレスオーシャンガイド8点バージョン
ロッドの詳細ページはこちら
→ https://bigfishgo.tokyo-diamond.jp/
次回の受付開始時に、先着順にご案内をさせていただきます。
*まとまった数のご希望も大歓迎、業者の方ももちろん大歓迎です。